独り言

古代メキシコ展に行ってみた マヤ・アステカ・テオティワカン

先日、国立国際美術館で開催されていた、「古代メキシコ展 マヤ・アステカ・テオティワカン」に行ってきました。そのころちょうど、「アポカリプト」という映画を観てマヤ文明を垣間見ていたので、とても興味を持っていた展覧会でした。どの展示も写真撮影OKだったのも嬉しかったです。粛々と展示物を鑑賞しつつ、それらを使ってIPPONグランプリを個人開催して楽しんだので、めちゃめちゃ楽しめました。いくつか、印象に残った展示物について書いておきたいと思います。

クモザルの土偶


真っ白つるんとした土偶で、純真そうな色してるのに顔が怖い。あ、改めてみても怖いな。なんか嫌だ。この顔どこかで見たことあるような~と思って、考えて、思い出した。ポペティだ。オランダの、結構怖い人形劇の主人公。と思って改めて対照してみると…思ったほど似てない。うーん雰囲気が近いと思ったんだけど…
あ、ゲド戦記のクモが本性表したとき?かもしれない。

チコメコアトル神の火鉢(トウモロコシの神様の土偶)


トウモロコシの神様がトウモロコシを両手に捧げ持って、目の前の人間を迎え入れようとしている、そんな雰囲気の土偶だったと思います。その包容力ある姿を目にした私の脳裏には、「出来立ての、ポップコーンはいかが♬」の曲が流れていました。片手に二本ずつ持っているのがピースしているみたいに見えて推せる。

鳥型土器


もうこれはこの展覧会のパンフレットを見たときからずっと気になっていたブツです。半開きのくちばしがポイントで、なんとも言えない間の抜けた表情がめちゃめちゃかわいいです。なんか頭は赤い飾り付けておしゃれしているし、ふっくらどっしりした体躯だけど前足が縮こまっていて、全体的に癒し系です。

テクパトル(人身供儀用のナイフ)


紡錘形に目玉と歯がついて横顔みたくなっています。これ用途は恐ろしいんですけど、見た目がね、ほんのり怖いけどなんか力抜ける感じなんですよ。かわいい…とまでは言わない。でもほんの少しデフォルメされたら、すぐにゆるキャラとしてデビューできるくらいにキャラが立ってると思うんですよね。うん。そんな顔をしてます。大物の顔です。知らんけど。かわいらしくされた瞬間に、グッズになるんだろうなーと思っていたらミュージアムショップで見つけましたよ、可愛くなったテクパトルのイラストを。ほらね?みんな考えるんだって、公式さんでさえも。
…写真を見返しながらこれ書いてるんですけど、あかん、この顔後を引く。絶対にこっち向かんといてほしい。

マヤ文明の神殿について
映画の中では、マヤ文明の神殿はなかなかの急勾配を持つ小高いもので、そのピラミッドの中央を、精密に作られた石段が登城から頂上まで走っていました。その高さは、太陽神に少しでも近づき、儀式の神聖さをより高めるための仕様なのかな。実際のピラミッドもこんな姿だったのかな。そう思っていると会場で「ククルカンのピラミッド」の写真を見つけました。映画で見たものとそっくり、中央に階段のある、小高いピラミッドでした!マヤ神話の主神「ククルカン」という名も聞き覚えがあり、おおー本当だったんだ!と興奮しました。

マヤ文明の人身供儀について
映画「アポカリプト」のなかでかなり残虐なシーンが生贄を捧げるシーンで…生贄は体に青い塗料を塗られてピラミッドへと連れていかれるんです。それを見て、この時代にこんなに鮮やかな青色が潤沢にあったのかな、映画のための脚色なのかなと思っていました。その異様に鮮やかな明るい青のせいで、背筋が冷えるような、異様な雰囲気が画面から伝わってきたからです。
ところがどっこい、なんとマヤブルーという青色があり、その青で彩色された土偶が複数展示されていました!同じ質感!映画のそれと同じ雰囲気の青色!ここもびっくりでした。マヤブルーは神聖な色だったのか、はたまた単に生贄用の人間を区別するためのものだったのか…

盾を持つ小像


もうここまでくるとボケるのが必須みたいになってきて、そこに格好のネタが。両腕に盾をはめて、逆ハの字に持っている。うーん…
ちょっと大袈裟な、いないいないばあ。

鷲の戦士像

翼のある衣?をまとった人の像。とても大きい。ここでひとつ、聞こえてきた。
「父さん、母さん、俺本気だから。今年こそ、絶対、鳥人間コンテストで優勝するから!」
横から眺めると、衣が重たいのかちょっと前のめり

「え、なに?腰が引けてるって?そ、そんなことないさ!」
そう考えると、こんなに巨大な像がなんだかほほえましく思えてきた。

シペ・トテック神の頭像


よくよく見ると、展示の説明通り、人間の皮を何者かが被っている作りになっていました。これは神様の姿らしいです。
しかしこの表情は…多分、午前授業しかない日に、帰ったら何をお昼に食べようか考えているときの私の顔です。

嵐の神の土器
写真撮るの忘れました…でもこれはお気に入り!これも、デフォルメされたら幼児教育番組のMCを任されそうな顔つき!出世するぞこいつは!と思ったけどミュージアムショップではあまり見かけなかった。まだ発掘されていない才能なのか…今後に期待。

猿の神 (だと思う)


正面に人がいっぱいいたのでずっと横から眺めていたんですが、今回展示されている像はどれもかなり前かがみで猫背。労働者の土偶も多いようで、荷物を持っていたら必然的に前かがみになるからかな。毎日思いリュックを背負って通学していた私のように。(殺人的に重いリュックを背負って毎日通学していました)
で、その下あご突き出したアイーン状態を見ていて思いました。
これ朝三暮四のトリックに気付いたときの顔だなと。
「ご主人、朝4つ晩3つとちの実くれるって言うたけど、納得してしもたけど、それ、配給量変わってなくね?おれ、気づいちゃったよね」

まとめ
いやー総じて、古代メキシコ文明は高い技術をもった文明だったのだなと思い知らされました。楽しかった。似たような展覧会が開催されてないかな。今度はメソポタミア文明とか。

映画のなかで、生け贄の心臓をくりぬいて神に捧げるというシーンがありました。実際、その取り出した心臓を置くための台座も展示されていて、ゾクッとしました。心臓をモチーフにしたアクセサリも最後の方にあり、心臓が重要視されていたんだなと実感。授業でも心臓を取り扱っているためか、なんだか、心臓にいて考えさせられる。今まで心臓に不安を感じたことはないけど、ずっと頑張ってくれているわけだな。神聖視されるのも納得できるなあ