独り言

雨の日に思うこと

雨の日に、車の助手席に乗るのは割と嫌いではない。運転席には座りたくない。視界が悪くて不安だから。スリップもしやすいし。というわけで、流れていく景色を見る専門。

ぼんやり雨の様子を眺めていることもあるけど、割とフロントガラスや側面の窓を注視してしまう。するとだんだん、雨粒に感情移入していくような感覚を覚える。

フロントガラスに打ち付ける雨粒
ぱっと広がって中心に液体、車が速く走っているとき、中心の水滴は転がってフロントガラスを遡上する

ワイパーはそんな水滴を一網打尽にする
血しぶきのように雨粒をちらして
透明な血しぶき
迫りくる雨粒兵士たちを、無情にも潰して一掃していく
なんて残酷な
なんて容赦ない

側面に打ち付ける雨粒たちは、必死にへばりつく。時速80kmで運動する塊の表面を逃がすまいと、あらん限りの力で踏ん張っているように見える。が、それも一瞬のことで、たいていは即座に吹き飛ばされてしまいだ。

そんな奴らが数えきれないほど見受けられる。

そしてそんな奴らを、安全な車内からただぬくぬくを眺めているだけの私。感じる必要もない格差を感じたりする。

それが雨の日のドライブ。

こんな風に見える。周囲の彩度が下がって、退廃的な雰囲気を感じるからこそそう見えるのだろう。

雨の日は、空を見上げてみたくなる。それも斜めに見上げるのではなくて、文字通り垂直に見上げる。細く、しかし確実に襲い掛かってくる雨粒を顔面で受け止めることになる。目に入るとややこしいのでそう長くは続けられない。眼鏡でもかけていればまた違うが。そうすると、アニメの演出さながら、自分めがけて落ちてくる雨粒を真下から観察できる。観察できるというほど動体視力がよくはないので、なんとなく確認できるーくらいの気持ちだ。

すると、あんなに高いところから落ちてくる雨粒なのに、痛くもかゆくもないなあと思う。むしろ雨粒のほうが痛そう。空気抵抗のおかげで終端速度に達しているのだったか。物理の授業でやったな。急に親元から引き離され、下界に放たれる雨粒たちは、どんな気持ちなんだろうなあ。循環できるからそんな深刻な話でもないのか。